6月12日 定例会議会

◆11番(井上ノエミ) 新しいすみだ、井上ノエミです。山本区長、よろしくお願いします。
 今回の新型コロナによって、多くの区民の生活は大変厳しい状況になっています。特に、アルバイトや時給で働いていた方々は仕事がなくなり、日々の生活にも困る状況に追い込まれています。また、飲食店をはじめ、多くの中小企業も大変苦しい状況です。是非、墨田区としても区民の生活を守るために全力で頑張っていただきたいと思います。
 今回の10万円の特別定額給付金は、このような状況にある区民の方々にとっては、とても十分な金額ではないと思います。金額的には満足いきませんが、墨田区の対象者全員に受け取っていただきたいと思います。
 そこで、今回の特別定額給付金の支給手続について、山本区長にお伺いします。
 この10万円は、対象者であれば申請すればもらえますので、申請手続が分からないでもらえなかったという区民が出ないように、しっかりした支援体制をつくっていただきたいと思います。特に、高齢者、障害者、外国人にとっては、この手続は決して簡単ではありません。必要書類のコピーを作るにも、コンビニのコピー機の使い方も分からない人もいると思います。
 また、申請書類は日本語ですから、外国人には読めない人もいると思います。高齢者や障害者の場合には、高齢者団体や障害者団体に協力してもらう必要があると思います。外国人対策には外国語で手続を説明する必要があると思います。申請手続は、まだ始まったばかりです。8月31日までは申請できるわけですから、是非しっかりした体制をつくって、もらえなかった人が出ないようにしていただきたいと思います。山本区長のご見解をお伺いします。
 次に、墨田区役所の業務における判こ文化の実態と改善についてお伺いします。
 今回の新型コロナ対策では、テレワークが多くの職場で導入されました。しかし、日本の判こ文化のために、判こを押すためだけに電車で通勤しなければならないということが大きな問題になりました。政府の経済財政諮問会議の緊急経済対策でも、押印の見直しを指示しています。明治時代から続いてきた判こ文化ですが、今は21世紀の時代ですから、本格的に見直す必要があると思います。
 そこで伺いますが、墨田区役所においては、この判こ文化の現状はどうなのか、山本区長にお伺いします。墨田区文書管理規程第38条では、総合行政ネットワーク文書では電子署名を使用しなければならないとあります。実際にどの程度電子署名は使用されているのかお伺いします。また、テレワークのためだけでなく、業務の効率化という観点からも判こ文化をなくしていく必要があると思いますが、山本区長のご見解を伺います。
 次に、隅田公園と日進公園の再整備についてお伺いします。
 この二つの公園の再整備事業が終わりました。結果的に、隅田公園も日進公園も、多くの樹木を切ることになりました。墨田区が提出した平成30年の緑と生物の現況調査報告書によれば、隅田公園には野鳥がたくさん飛んできています。ヒヨドリやオナガ、シジュウカラなどです。また、池辺はオサギが見られています。オサギは絶滅危惧種に指定されている貴重な鳥です。再整備で公園の木は少なくなりましたが、今後もこれらの鳥が隅田公園に飛んできてくれればいいと思います。
 私は、今回の隅田公園と日進公園の再整備に関しては、二つの公園ともデザインを改善する余地があったように思います。隅田公園はイベント用のスペースとした舗装広場を造りました。この広場は駐車場のようなスペースで、イベントのための車を止めるにはいいと思いますが、もっと自然を生かした景観にすべきだったと思います。日進公園は、以前は木の多かった公園ですが、これもデザイン的にはありふれた児童遊園になりました。
 墨田区は国際観光都市を目指していますから、都市の自然や景観・デザインをもっと大事にしてもらいたいと思います。そのためには、本当に優れたデザイナーや設計家を使って、墨田区を整備していく必要があります。是非、今後はデザインコンペをやって、様々デザインを考えて、最も優れたデザインを採用してまちづくりをしていくことを考えていただきたいと思いますが、山本区長のご見解を伺います。
 最後に、道路の街路樹を植える桝部分の民間使用について伺います。
 道路の街路樹が植えてある桝部分ですが、墨田区では税金を使って、その部分の維持管理をしています。実は、私の住んでいるマンションの周りの桝部分は、マンション住民のボランティアの方が道路公園課から許可をもらって、自分たちで維持管理しています。自分たちで種を買ってきて季節の花を植えています。
 これは大変よい制度だと思いますので、以前にも質問しましたが全く広がっていないので、もっと墨田区全体に広げたほうがよいと思います。本来、税金で桝の部分を維持管理しているわけですが、町会とかボランティアが維持管理すれば、それだけ税金が節約できます。是非、もっと積極的に区報などで宣伝していただきたいと思いますが、地域力を使って緑の多い墨田区を実現してもらいたいと思いますが、山本区長のご見解を伺います。
 以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

◎区長(山本亨) ただいまの新しいすみだ、井上議員のご質問にお答えします。
 まず、特別定額給付金の支給についてです。
 特別定額給付金の支給に係る申請手続の周知ですが、区のお知らせ及び区ホームページのほか、対象世帯には申請書に案内チラシを同封して郵送しています。高齢者、障害者向けの対応については、申請方法等を事前に高齢者支援総合センター、障害者団体、各出張所へ情報提供を行い、お問合せがあった場合は丁寧に対応できるようにしています。
 外国人への対応については、お問合せ専用ダイヤルや区庁舎に相談窓口を設けて、英語、中国語、韓国語の対応ができる体制を整えています。また、区ホームページに「やさしい日本語」のページを設けて、分かりやすい周知に努めています。
 今後も、丁寧な案内と周知に努め、受給できない方が出ないよう進めていきます。
 次に、墨田区役所の業務における判こ文化の実態と改善についてです。
 まず、庁内における印鑑の使用についてですが、本区の事案決定は文書管理システムを利用した電子決定方式を原則としています。この方式により、ペーパーレス化の推進と情報の共有化及び一元管理を行い、事務の効率化、意思決定過程の透明化等を図っています。また、令和元年10月からは、私以下全ての決定について電子決定を原則とするよう指示したことにより、全体の約60%の文書について印鑑を使用していない状況です。
 次に、ご指摘の電子署名についてですが、本区の文書管理規程では、総合行政ネットワークを利用して他の自治体や行政機関、企業等に送信する文書に限っており、主に特別徴収税額の通知や雇用保険、社会保険関係の届出を行う際などに電子署名を使用しています。今後は、行政情報化の推進や「新しい生活様式」における在宅勤務への対応の観点からも、国の電子化への動きを注視しつつ、印鑑の使用に替わる電子署名の利用や公文書の電子化を積極的に進めていきます。
 次に、隅田公園と日進公園の再整備についてです。
 隅田公園は水戸藩下屋敷跡地であり、また、震災復興公園で、かつ日本初の本格的なリバーサイド公園という歴史性を有することから、今回の整備に当たっては学識経験者の意見を伺いつつ、地元町会及び関係機関と多くの協議を重ね、再整備計画を取りまとめました。
 日進公園は、地域に身近な公園であることから、ワークショップの開催、近隣の小学校や保育園へのアンケート調査などにより、地域とともに明るく開放感のある公園となるよう再整備計画をつくりました。
 デザインコンペも公園設計の方策の一つと考えますが、現在、区立公園の整備は地域の声を取り入れ、関係者と協議しながら進めていく手法を採用していますので、ご理解をお願いいたします。
 最後に、道路の街路樹を植える桝部分の民間使用についてです。
 道路緑化ボランティア制度による植栽桝などの維持管理は、石原地区と立花地区の2か所で行われており、今年度中には横網地区でも開始される予定です。
 現在、区のホームページで周知を図っていますが、更なるボランティアによる道路緑化活動の広がりに向け、区報等を含め積極的なPRに努めていきます。
 以上で、新しいすみだ、井上議員のご質問に対する答弁を終わります。
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